花見

花見には大体ろくな思い出が無いような気がするが、遠い思い出をたどれば・・・そもそも子供の頃は、花見などする習慣が無かったことに気付いた。というのは、野生の桜があったので、わざわざ見物する風習が無い土地だった。大学に入って、花見というものをしてみようと、友人と初めて千鳥ヶ淵に行ってみた。桜よりもその友人のことを思い出す。彼女がその時着ていたスプリングコートとか。一番きれいな花見の記憶は、芝増上寺にその当時働いていた会社のメンバーと夜たまたま見に行ったときのもの。あまり知られていないらしく、人気が無く静かで頭上一面夜気の中、桜が広がっていた。一夜の幻のように思いだす。